<展示期間>
2024年5月28日〜6月23日
開場時間:11:00−19:00(最終入場18:45)
休場日:月曜日
<展示概要>
CREATIVE HUB UENO “es”では、5月28日(火)から6月23日(日)まで、寺内木香個展「ねんどのへや」を開催いたします。
<アーティストステートメント>
記憶の中に存在する空間は360度完璧に覚えているわけではなく、
自分の定位置から見たイメージ・写真からの角度・思い入れのある質感など、
その人にとっての「特別」を残して本物から少しずつ形を変えていく。
そうやって変化した記憶の空間を立体へ再構築することで、
本物より強い想いを秘めた金属作品へと昇華させている。
<プロフィール>
寺内木香(てらうち ここ)
2023 東京藝術大学大学院美術研究科修士課程工芸専攻(鋳金) 修了
主な受賞・展示歴
2019 安宅賞受賞
2021 第69回東京藝術大学卒業・修了作品展 『サロン・ド・プランタン賞』受賞
2023 第71回東京藝術大学卒業・修了作品展 『買上げ』
個展『JUMBLE DIVE』(Bohemian’s Guild CAGE、東京)
祖母は紙粘土で人形などの作品を制作しており、その影響が作家自身の創作活動の根底にある。
紙粘土の性質上、祖母の作品は劣化しやすく遺品整理の際にだいぶ少なくなってしまった。この日、私は今まで作品であったものが突然ただのものとなり、それがまとっていた思い出もなくなってしまうような寂しさを感じた。
この経験をきっかけに「記憶を残す」ことに関心を抱くようになり、朽ちにくい金属を素材として記憶を題材に制作をしている。
<過去の作品>
《思い出の部屋》2021、ブロンズ、真鍮 h600×w1600×d1200 (mm)
紙ねんど工作の教室を営んでいた祖母からの影響が私の創作活動の根底にある。
今作は教室にしていたマンションの一室を切り取ったものであり、造形には祖母がモチーフとして多用したフリルを尊敬の意を込めあしらった。
≪In the jumble scenes≫ 2023、真鍮、ブロンズ、アルミニウム h1720×w1960×d1150 (mm)
右手が夜の東京のビル群。
左手は古美術研究旅行で訪れた京都。
その麓には波飛沫をあげて走る船。
中央にはいつも背負っていたリュックといつも履いていたスニーカー。
身に馴染んだお気に入りを纏って
ごったまぜの記憶の街を駆け巡る。