CREATIVE HUB UENO “es”(エス)

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EXHIBITIONS
稲垣慎 個展
「キッチンカーが来た」

《キッチンカーが来た(部分)》2025、樟 その他

<展示期間>
2025年4月1日(火)〜5月6日(火祝)
開場時間:11:00−19:00(最終入場18:45)
休場日:月曜日(祝日の場合は翌日に振替)*GW中の祝日は開廊

<展示概要>
​​交番跡地をリノベーションした独特な間取りが特徴のCREATIVE HUB UENO “es”は、比較的小さな入口に対し意外にも空間が広く、そこでは作家個人の多様な世界観が展開されます。
稲垣慎はこの空間に、今年まで6年間勤めた東京藝大に毎日来ていたキッチンカーを連想し、ギャラリー内にさらに箱を設置。同キャンパス内から切り取った風景を独自の解釈を交えて再構成した作品を展開します。

<アーティストステートメント>
生き物や建築物、風景など気になったものをモチーフに、それらに対して自分のもつイメージや記憶と、対象自体との狭間にある隔たりを感じながら作品を制作しています。
木も木彫も、古くから日本に存在するもので、作品の他にも家具や建築物など、私たちの身近にある存在です。木と木を組み合わせる寄木造りという技法を使えば、実現出来る表現の幅は元の丸太の形を超えて非常に自由になります。
その反面、木自体の硬さや重さにより、自分の考えが実際に形に反映されるのはすぐにというわけにはいきません。制作しているときは、モチーフに対して理解していたように思っても、実際には何もわかっていないようなものだったと気づかされることが多いです。だからこそ対象となる生き物、風景、日々の出来事、一つ一つに対してじっくり向き合えるような制作中の時間の流れに魅力を感じています。

稲垣 慎

<推薦コメント>
稲垣慎が作る動物や風景には独特の味わいとリアルさがある。木に彫り込まれた細かい凹凸と色彩はどこかユーモラスで暖かい。それは幼少期から共生している昆虫や魚への執拗な観察からやって来る形や景色なのだろう。
虫を顕微鏡で拡大し続けると、レンズの奥にはモノでない、生物の美しいディテールが無限に続いていく。そんなミクロと日常の間を行き交いながら、彼は彫刻を作っている。
生命の果てまでを見ようとする眼欲と習性は、彫刻家にとって羨ましい才能である。

東京藝術大学美術学部彫刻科教授 原 真一

<プロフィール>

稲垣 慎(いながき しん)
1991年生まれ
2017年 武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒業
2019年 東京芸術大学大学院美術研究科修士課程 彫刻専攻修了
2025年3月迄 東京藝術大学美術学部彫刻科 助教

展示歴
2019年 「アートアワードトーキョー 丸の内 2019」(国際ビル、有楽町)
    「六つのいきものがたりANIMALIA」(西荻窪 Gallery FACE TO FACE)
2021年 「彫刻と家」(旧平櫛田中邸アトリエ)
2024年 「MITSUKOSHI×東京藝術大学 夏の芸術祭 2024」(日本橋三越本店)

<過去の作品>

左上:《部屋の風景 亀》2023, 樟, H350×W360×D180
左下:《イナシン木彫カーニバル》2019、樟 着彩、H2900×W4000×D1800
右上:《鸚哥2》2017、樟、H2590×W1810×D1100
右下:《イナシン木彫プチギャラリー》2021、樟、H1300×W500×D330